HOME  >  公開資料  >  Gemstone Spectral Imaging Dual Energy Scanning
Welcome Guest 

新規会員登録はこちら 
パスワードを忘れた方はこちら 

photo

Gemstone Spectral Imaging Dual Energy Scanning

123456

1.はじめに

 CT画像精度の限界は、複数の物質が混在する人体を多色エネルギーのX線で撮影しているため、各物質が元来有するX線実効エネルギー毎の質量減弱係数が正確に計算されないことによるCT値の精度不足、およびアーチファクトの発生となって現れることにある。
また、CT値は同一であっても異なる性状の物質である場合がある。CT値は「質量減弱係数」×「密度」で表現される。「質量減弱係数」は物質特有の値であるが、撮影対象物の密度状態によっては物質が異なってもCT値が同じになってしまう場合がある。
このような現象を解決する一つの手段として、異なる管電圧でデータ収集を行うデュアルエナジースキャン法がある。「質量減弱係数」はX線エネルギーに依存するため、ある管電圧では同一のCT値であっても、異なる管電圧下では、異なるCT値として画像化される。最も簡便な方法としては、市販されている現行装置で行われている 「異なるエネルギーのCT画像の加重加算により物質弁別を行う方法」がある。
しかしながら、ビームハードニングアーチファクトの影響を取り除き、線形性を保ちつつ物質の密度値を弁別画像上で示すには不十分であり、高い精度の物質密度画像の作成には、プロジェクションデータ上での2つの物質におけるビームハードニング補正の処理が必須となる。その結果、ビームハードニングの影響を取り除いたことから、スペクトラルCTイメージングと言われることとなる。
スペクトラルCTイメージングは数十年にわたって研究を重ねてきているが、残念なことに最近まで臨床的に有効なアプリケーションとしては存在していなかった。スペクトラルCTイメージングはX線による物質固有のX線減弱係数を利用し、異なるエネルギー値をそれぞれ透過させた際の差を利用することにより、対象領域の素材密度、組織の特性をイメージングすることを実現する。さらにその結果として、逆に物質のX線減弱係数に比例した加重加算を行うことにより、ビームハードニングの影響を取り除いた正確なCT値を有する画像を作成することが可能となる。これをモノクロマティックCT画像などと呼ぶが、これにより、正確なCT値を表現することが可能となり、より診断能の高い臨床画像を提供をすることができる。さらにはこのような検査がルーチン検査として実施できることも重要である。
50cmのFOVでの撮影が可能、アキシャルでもヘリカルスキャンでも撮影が可能、またその他CT撮影に必要なツールに制限が起こらない等である。
スペクトラルCTイメージングを行う際には2つの異なるエネルギー、低電圧と高電圧の撮影データが必要となる。またデータを収集する際には2つのデータ間にエネルギー以外の差異、すなわち位置ずれや時間位相のずれがないことが大きな前提になる。さらにはビームハードニングアーチファクトの補正が間違いなく出来ていることも非常に重要な要素となる。GE製MDCT Discovery CT750 HDに搭載されている“Gemstone Spectral Imaging(GSI)” は、これら全ての問題点を解決することを目的に研究開発、製品化に成功し、初めてスペクトラルCTイメージングを臨床で使用可能にした機能である。
時間位相差がなく、高低の管電圧の切り替えが可能な「First kVスイッチングデュアルエナジースキャン」機能を有し、通常の撮影と同様にデータ収集が可能である。従ってヘリカルスキャンで撮影でき、プロジェクションデータ上での処理が可能となる。これにより、ビームハードニングアーチファクトの影響も排除できる。さらにはビームハードニングの影響をなくすことにより、あたかも単色X線で撮影したかのような画像=モノクロマティックイメージングを画像再構成できる。正確なCT値での臨床評価を可能とし、今までのCTでは判断出来なかった病変の性状評価も視野に入れた診断の可能性を秘めた機能である(Fig 1)。

図

Fig1

123456

図 この資料のPDFをダウンロードできます。(944KB)