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Gemstone Next Generation Scintillator 〜次世代CTをリードする宝石検出技術〜

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はじめに

 CTスキャナーにおけるX線の利用効率ならびに画質の格段な向上をもたらした固体検出器が登場してから、既に20年以上の歳月が経過している。1988年、当社はガドリニウムオキシサルファイドを主成分としたセラミック検出器を、世界に先駆けCT検出器のシンチレーターとして開発、製品化に成功。『HiLight』検出器としてCTスキャナーに搭載し発売を開始した(CT9800 HiLight)。
その後もシンチレーターの製造工程やキャストパック方式といわれる一体成型方式など、検出器のX線利用効率を向上させる技術開発を行なって来ている。
また、シンチレーター成型方式だけでなく、DAS(データアクイジションシステム)の改良、ダイオードとの感度特性の最適化、バックリット方式による信号伝達方式の改良等、CT検出器の性能向上ならびにX線の利用効率の向上を図るための技術開発を行なってきた。さらには、CTスキャナー自体においてもシングル検出器から多列検出器(MDCT=Multi-row Detector CT)へと、臨床画像の適応範囲を拡大、進化してきている。 多列検出器の登場は、今までのCTスキャナーでは守備範囲外であった循環器領域、特に心臓領域へと検査可能範囲を拡大してきており、診断能の高い、高画質(高い空間分解能、密度分解能)な臨床画像を提供可能な装置の開発が望まれている。
このような状況の中で、当社は、過去20年以上に渡り全くかわることのなかったセラミックシンチレーターそのものの素材の新たな開発に着手してきた。

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多列化が進むと、従来法ではせっかく発光した光をダイオードまでの間のワイヤーに阻害されてしまう

研究・開発・製造

『Gemstone™』検出器の開発には、これまでの当社CTスキャナー開発のための研究と当社中央研究所における様々な分野の研究とが融合されている。
一般的な固体シンチレーター材料であるガドリニウムオキシサルファイド=GOSは、一般的な素材を利用し、増感紙やイメージインテンシファイアー等のX線検出装置に利用されてきた。固体検出器の素材は各種の化合母体元素(これらも通常は希土類の酸化物である)と共に、アクティベイターとして希土類酸化物を有する混合酸化物であるのが一般的である。これらのシンチレーターは、高い効率、適度の減衰時間、低い残光、放射線損傷が少ないという有利な性質によって特徴付けられている。したがって、従来の固体検出器素材は十分な性能を発揮しえる素材で構成されてはいる。
しかしながら、近年CTスキャナーに求められる高空間分解能の向上を更に進めるためには、既存の素材では今まで以上の発光効率、変換速度ならびに減衰速度、残光特性を得ることには限界があった。いままで以上の高空間分解能をフルスキャン時でも得るためには、全く新たなシンチレーター素材の開発が必然不可欠であった。

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素材の透明度比較

空間分解能に関与する要素と改善策

CTの空間分解能を向上させるためには、
1. 幾何学的なボケを小さくする
2. 投影データ数を多くする
3. 投影データの精度を向上させる 等が必要になってくる。これらは、CT検出器の改善に関係し、投影データの精度向上やデータ数を格段に増やすことが、非常に重要である。

・X線を感受してから光に変換する速度
すなわち立ち上がり速度(=X線応答速度=プライマリースピード)
・残光特性(立下り速度=アフターグロウ)
・透明性(Transparency)
・被ばく感度劣化(Radiation Damage)
・製造性(Manufacturability)
・光出力(Light Output)
・発光波長(Emission Spectrum)
・ダイオードとの相性(Diode Matching)
など、様々な因子があげられるが、特にX線応答速度ならびにアフターグロウが大きく関与してくる。したがって、この2つの因子の向上を図ることが最重要になってくる。
この各々の因子を改善することにより、View数の大幅な向上が図れ、投影データの精度を向上させることが可能となるわけである。

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Scintillatorをデモ用にブリリアンスカット

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