9月6日（金）-7日（土）、名古屋観光ホテル（名古屋市）で開催された、第20回記念 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会学術集会（会長：佐藤公治先生、名古屋第二赤十字病院　副院長・整形外科脊椎脊髄外科）についてご報告いたします。

今年（2013年）は第20回を迎え、節目の記念すべき会となり、例年の350名に比べ多くの先生方がご参加されました。本会のコンセプトは「飛躍 ～ Spinal surgery の cutting edge を探る ～ 」で、2題のシンポジウム（最小侵襲脊椎安定術MISt / 成人脊柱変形）と7つの主題（脊椎手術リスクマネジメント / 手術支援機器 / 脊髄術後慢性疼痛 / 高度骨粗鬆症脊椎手術 他）が用意されておりました。

社会医療法人信愛会 畷生会脳神経外科病院 信愛会脊椎脊髄センター・センター長・寶子丸稔先生に座長をお務め頂き、慶應義塾大学医学部整形外科・講師・石井賢先生より「最小侵襲脊椎安定術(MISt)における低被曝化への試み」についてご講演頂きました。

座長・寶子丸先生	講演・石井先生	レクチャー風景

散乱線の影響(A-P)

参考資料：レクチャー抄録 / OEC9900 Elite補足資料

石井先生からは‘放射線の基礎知識-散乱線 他’、‘術中線量測定データの実際’、‘低被曝化への試み’についてご講演頂きました。

‘放射線の基礎知識-散乱線他’　X線管の向きによる散乱線の影響について、特にA-P像では散乱線が下半身部分で多くなるため生殖腺の被ばくに注意が必要であることについて述べられました。石井先生ご自身もプロテクターを2重に巻いて手術をされていることを写真も添えてお示しされておりました。

<Smart Metal> 自動金属検知・画像最適化
Conventional Image		SmartMetal ON

‘低被曝化への試み’透視を使用する医療従事者の基本的な心構えとして直接X線に手をさらさないことや、X線が距離の二乗に反比例して減衰していくことから、可能な限りX線管及び患者さんから距離を取ることの重要性について述べられました。

また、弊社外科用イメージOEC 9900 Elite の医療従事者の低被曝化に寄与する機能についてもご紹介頂きました。

低線量モード - 低線量モードは、通常モードに比べ30～50%線量を抑えることが出来る機能です。MIStを行う上で十分な画像が得られることについて、MIS-TLIFでの使用事例を用いて紹介されました。

SmartMetal - 自動金属検知・画像最適化機能のSmartMetalについては、骨粗鬆症でペディクルが見えにくい患者さんでも有用ではないかとコメントされておりました。

情報提供ブース

質疑応答
外科用イメージの有用性の質問には、石井先生から2つのポイントで回答がありました。1つ目は、広く普及しつつあるMIStではナビゲーションがないなど限定された設備の中でも安全に手術を行える点。2つ目は、今回ご講演頂いた術中線量測定の前向き研究のデータからも1~3椎間の手技における実際の被曝量は安全域に収まっていることです。会場からは、ナビゲーションに比べ外科用イメージは全体像を把握しやすいとの意見も出ておりました。

レクチャー会場の出入口ではOEC9900 Elite のワークステーションを設置し、レクチャーに関する資料の提供や「通常モード」と「低線量モード」の画像をみて頂き、画像を実感して頂きました。

本講演が、医療従事者の低被曝化への一助となれば幸いです。

シンポジウムⅠ「最小侵襲脊椎安定術（MISt）」では、10名の先生方からのご発表に加え、‘MIStの適応と限界’、‘今後の展望’という共通の話題についてそれぞれのお立場から意見を述べられていました。
近年の手術手技や医療機器の発展によりMISt手技の限界は減少し、MIStの適応症例が拡大している点が強調されていました。特に脊柱変形症例へのXLIF/OLIFとPPSのコンビネーション、腫瘍性・感染病変に対するMISt、外傷症例に対するMISt、頸椎病変に対するMIStなど、様々な病態や手術手技へのMIStの展望が述べられておりました。

以上簡単ではありますが、第20回記念 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会学術集会のご報告とさせて頂きます。これからもGEヘルスケアジャパンは整形外科分野にもTotal Solutionをお送りし続けて参りますので、ご注目下さい。

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外科用イメージ「OEC 9900 Elite」