2012年9月10日

GEヘルスケア、モジュール式のバイオ医薬品製造工場「KUBio」を発表

バイオ医薬企業の設備投資を削減し、早期の医薬品供給体制確立に貢献

米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケア(本社:英チャルフォント セントジャイルズ、プレジデント兼CEO:ジョン・ディニーン)はこのほど、バイオ医薬品を製造するためのモジュール式のバイオプロセス工場「KUBio(キュビオ)」を開発、今後製薬企業を中心に同工場を提供します。

KUBioはGEヘルスケアがこれまで培ってきた世界レベルの技術を結集し、バイオ医薬品の一貫生産を可能にさせたモジュール式のバイオプロセス工場。医薬品の製造管理および品質管理規則であるcGMP*1の要件を満たす一方、バイオ医薬品を製造する際の柔軟性と生産性を最適化した設計が施されています。敷地面積は1,200m2で、バイオプロセスに必要な設備・機能に加えて、GEヘルスケアのシングルユーステクノロジー「Ready-to-Process(レディ・トゥ・プロセス)」を基盤にした製造ラインが装備されており、完成後ただちに稼働させることができます。

KUBioは各モジュールを顧客が希望する敷地に運んで組み立てる仕組みのため、より効率的に即稼働可能なバイオプロセス工場を建設できます。KUBioの計画からモジュールの納入、建設までの総工期は14〜18カ月と、通常の工場建設に比べて最大7割以上短くて済むため、バイオ医薬品企業は製品の上市までの期間と設備投資額をいずれも大幅に短縮・削減できます。

世界的な高齢化や肥満度の上昇、ならびにワクチンで予防可能な疾患の罹患率低減に向けた世界的な取り組みを背景に現在、がんや関節リウマチの治療に向けた抗体や新世代の革新的ワクチンなど、バイオ医薬品に対する需要が世界的に急増しています。そのような中、KUBioは世界各国のメーカーが自国のヘルスケアニーズに対応し、救命につながる可能性のある治療薬をより迅速に市場投入するのを支援します。なおGEヘルスケアでは第一弾として、モノクローナル抗体*2製造用に構成したモジュール式工場を手がけ、今後その他のバイオ医薬品企業向けのモジュール開発を進める予定です。

GEヘルスケアのライフサイエンス事業部のエンタープライズソリューション担当ゼネラル・マネージャーであるOlivier Loeillotは、「KUBioはバイオ医薬品製造企業にとってこれまでにない新たな手法です。KUBioを活用すれば、一般的な工場の建設と比べて、工期を何カ月も短縮し、全体的な建設プロセスも大幅に簡素化できます。すでに国内の製造能力を増強したい政府から、新しい拠点で製造能力を拡張したい製薬企業まで、広範なお客様が本KUBioに関心を持たれています。KUBioはこの業界で市場を一変させるものとして、まさにお客様のそうしたニーズに貢献できます」と述べています。

KUBioの投入によって、バイオ医薬品の製造業界向けに提供しているGEヘルスケアの広範な世界レベルのツール・テクノロジー・サービス群がさらに拡充され、パイロットから商業規模まで個々の顧客ニーズにあわせた最適なソリューションを提供できるようになります。GEヘルスケアの一貫生産向けテクノロジー・サービスには、Fast Trakトレーニング、PAA細胞培養用培地、Ready-to-Processシングルユーステクノロジー、精製用担体、Xcellerex(エクセラレックス)バイオ製造システムが含まれます。なおKUBioは、GEのヘルスケアに関する世界戦略「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」で進める「医療コストの削減」「医療アクセスの拡大」「医療の質の向上」の一環として展開するものです。

KUBioのイメージ図

※ 2012年9月4日に英国で発表された英語版のプレスリリースはこちらをご参照ください。
※ KUBioの詳しい概要を紹介したビデオも用意しています。こちらをご覧ください。

*1 GMPはGood Manufacturing Practiceの略で、医薬品、医療用具などを供給するために、製造時の管理、遵守事項を定めたもの。米国では、良質な医薬品製造を行うための製造管理および品質管理方法は常に最新の科学技術に基づいて行われるべきであるという考えをもとに、FDA(食品医薬品局)がc(Currentの略)を付けたcGMPを定めている。
*2 モノクローナル抗体とは、1個の抗体産生細胞を増殖させた細胞集団(クローン)から産生される、構造が均一な抗体。1種類の抗原決定基(エピトープ:抗体によって抗原と認識される部分)と結合して反応するため、高い特異性を有している。一方、複数種類の抗体が混在しているものを「ポリクローナル抗体」という。

GEヘルスケアについて
米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアは、次世代の患者ケアをデザインする先端的な医療技術ならびに医療・研究機関向けの各種サービスを提供しています。画像診断やヘルスケアITをはじめ、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)や生体情報モニターから、創薬、バイオ医薬品、ならびに医療機関の経営支援に至るまで、幅広い分野にわたる専門性を生かし、全世界で一人でも多くの人に、より低コストで質の高い医療を提供することを支援しています。また、ヘルスケア分野のリーダーと協力のもと、世界レベルの規制変更を活用し、持続可能なヘルスケアシステムにスムーズに移行することを目指しています。

GEヘルスケアでは現在、「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」のビジョンを掲げ、医療コストの削減、医療アクセスの拡大、ならびに医療の質の向上を実現する革新的な製品やサービスの開発を継続しています。英国に本社を置くGEヘルスケアは現在、世界100カ国以上の医療従事者や患者さんに向けてサービスを提供しています。ホームページアドレスはwww.gehealthcare.com、最新のニュースはhttp://newsroom.gehealthcare.comをご覧ください(英語版)。

日本のGEヘルスケア・ジャパン株式会社 ライフサイエンス統括本部のサイトはwww.gelifesciences.co.jpです。